おそらくですが、介護タクシーでの独立起業を志す方の大半が、集客ノウハウや開業の手順を知れば事業はうまくいくと思っています。
その考え方は大変危険です。なぜかといえば、ノウハウだけにとらわれて目の前の乗客が売り上げを稼ぎ出すためだけの、ただの数にしか見えなくなってくる可能性があるからです。
もう少し深堀してお伝えしてみましょう。
介護タクシーは何を運んでいるのか
通院が主の送迎介護タクシーは健康を運ぶ
介護タクシーって病院の送り迎えにしか使えないタクシーなんでしょ??
っていまだに思われているくらい、世間には用途が制限されたタクシーのイメージが頑固にこびりついています。無理もありません。弊社をふくめ全国の介護タクシー事業者は通院送迎をメインに動いていますし。答えとしては実費負担ならどんな外出にも対応できるんです。
話を戻すと、通院送迎がメインの送迎介護タクシーの場合、合同会社めぐりは乗客の健康を運んでいると考えています。持病や疾患をこれ以上悪化させないために・改善/治療のために・家族との外出を叶えるためには、障碍者高齢者となる乗客自身が健康に近い状態を保たなければなりません。
寝たきりの高齢者や一人暮らしの車椅子ユーザーが、これからも大切な人とおしゃべりしたりカラオケで熱唱したり、趣味の写真撮影を楽しむには外出に耐えうる健康が必要です。
健康でなければ外出が楽しめない、できない、という切なる事情を抱えたご本人・家族の心に秘められた想いをどれだけ汲み取れるか?そのために介護タクシー事業者は運転/介助スキルを磨き・道具を整え・応えようと準備しているかが問われていると思うんです。
貸切ドライブの観光介護タクシーは幸せを運んでいる
「これが最期の観光・旅行になるかもしれない…」車椅子ユーザー本人がそう思っている場合もあれば、口には出せないけれど隣にいるご家族・友人知人がヒシヒシと感じていることもあります。
言葉は喋れず手足も動かない・意思疎通が難しい車椅子ユーザーやお子さんらに、沖縄観光を楽しんでほしい…そのために車椅子アクセスで難儀な思いをしないですむように、ホテル・食・交通・買い物・体験それぞれのバリアフリー状況はどうなっているのか?お客様は気になっているんですね。
自分の障害の程度と照らし合わせて、行きたい場所・買いたいモノ・叶えたい体験は果たして可能なのだろうか?その疑問や不安を抱いているお客様たちに対して、ここはこうなってますよという提案の引き出しを増やす準備と、ストレスフリーで観光が楽しめる配慮や交渉を、観光介護タクシー出来うる限りしなければなりません。
障害者にとって健常者よりも出来ないコト・たどりつけない場所・たどり着かせてもらえない空間や景色があるんですね。障害者になりたくてなったわけじゃない、生れた頃から障害を抱えていた、高齢をきっかけに歩けなくなった お客様それぞれの深い事情があります。
観光とは、日常の外出じゃありません。住み慣れた故郷から遠くの場所にお金と時間と決意を胸に抱いてのぞむイベントです。健常者よりも準備と気苦労があるので、滞在中のストレスフリーや楽しい空間づくりは観光介護タクシーの使命ともいえるでしょう。
幸せの定義は人それぞれでしょうが、合同会社めぐりが考える幸せとは、見たことのない景色や食べたことのない料理を一つでも多く体験すること・人の優しさに触れることだと考えています。旅行や観光が人生に彩を与えてくれるわけですね。
合同会社めぐり的:介護タクシー論
18年以上介護タクシー業界に携わる中でたくさんの障害者高齢者の人生をお運びしました。月並みな言葉になりますけれど、「人生は、明日どうなるか分からない」「自身が障害を抱えるかもしれない」という気持ちを常に抱き続けています。
いや、時間を重ねるごとに強くなっていますね。
だからこそ、自分が障害者になったとき・齢を重ねて出来ていたことができなくなった時にでも、頼れて相談に乗ってくれて乗務員の個性が光る交通機関がそばに在るような社会になってほしい…そんな想いでひっそりと、沖縄から全国へ介護タクシー開業支援に携わっています。
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