これまでに介護タクシー開業に関する相談やきっかけをセッション・セミナーで伺ってきましたし、現在も活躍している事業者もお話ししてきた経緯から、おおむね共通した特徴があるなと感じましたので、まとめてみました。
独立起業に向けて色々と準備している段階で、特徴6つのうち3つ以上当てはまれば、それは、決断の時なのかもしれません。
自分の決断と行動で人生を切り拓きたい
全国的に介護タクシービジネスを志す開業者が毎年増加している理由の一つが、一人1台からすぐに起業できるハードルの緩さがあるでしょう。※一部地域は2名体制からが条件となるようです
個人タクシー事業者になりたければ法人タクシーに10年勤めて3年間の無事故無違反とその他の必須条件がありますけど、介護タクシーの場合、国が定めた移動円滑化社会のために、2050年度末までに福祉タクシーを90,000台までに増やすといっていますから、資金とクルマさえあればすぐに開業できるわけです。
職場の同僚/後輩との付き合いにストレスを感じ、上司の優柔不断な行動にうんざりしてこのまま毎日が過ぎていくことの危機感を感じた人は、自由に移動出来て障害者高齢者の外出サポートに関われる介護タクシーに魅せられるのでしょう。
外出しづらい障害者高齢者の助けになりたい
誰もが無意識に「ずっと歩ける走れる登れる」と思いながら生きていますが、事故や病気は突然やってきます。当たり前の日常が過ごせなくなっていく障害者高齢者本人と家族は、外出がおっくうになり次第に自宅や施設にこもりがちになる。
たまには外出させたいと思っても車いす介助ができない・車いすをトランクに収める/無理な移乗介助を続けて腰を痛めるなどで、連れていきたくても連れていけない そんな切ない状況を間近で見ているんですね。
介護タクシー開業者の前職を伺うと、ヘルパー・介護福祉士・看護師が多いです。病室や自宅で寂しそうにしている高齢者障害者を毎日見ていると、何とかして外に連れてあげたい…という感情が湧いてくるのだと思います。
看護師・介護士の経験があってそれを活かしたい
車椅子を押す・ベッドから移乗介助する・高齢者との会話が毎日ある・トイレ介助も行うことが仕事(日常)の看護師/介護士にとって、その作業自体は苦労なく行えるようになります。その身体にしみこんでいる介助技術や対話力が介護タクシービジネスに大きな強みとなります。
特に、痰の吸引や酸素ボンベの取り扱いや脈拍を計ることに慣れていて命の最前線に向き合ってきた看護師が乗務員なら、乗客・ケアマネから信頼感を得ること間違いなし。
補足までにお伝えしておくと、介護や看護の経験が全くなくても介護タクシービジネスには問題ありません。というか私自身が経験なしでこの仕事を始めたので苦笑。経験がない状態だったとしても事前の心構えと準備さえ怠らずに謙虚にお客様と向き合えば、自信と実績があとからついてきます。
運転することが好き
新しい景色や味わったことのない食べ物・飲み物を探すのが好き、通ったことのない道にクルマを乗り入れるのが楽しい、抜け道を一つ知っていくごとに喜びを覚えるあなたは間違いなく運転好きです。
こういった視点で日々運転している人は他者の喜びが自分の喜びだという基点をもっています。なぜなら、シェアすれば喜ばれることばかりだからです。ちなみに私の場合、そこまで運転好きという自覚を持っていなかったのですが、閉じこもりがちな障害者高齢者に喜んでもらうには何をすべきか?という考えが行動に変わって、「あ、運転するの楽しいかも、楽しい」という境地にたどり着きました。
これまたちなみに、観光ドライブのお客様を那覇空港に送り届けた後、階段昇降機を使っての外出、50キロ以上の長距離搬送を終えた後の営業所にもどるドライブが何ともいえない充実感を与えてくれるんですね。
心の自由が得られて食べていければいい
個人的には、介護タクシー開業者の多くがこの心境に至って独立起業への道を歩んでいるのだと思っています。安定した収入を得るよりも今の劣悪な環境から抜け出したい・移動の自由/心の自由を得ることが先決で月商100万以上を毎月稼ぎ出す必然性は求めていないでしょう。
タクシーという機動性に富んだビジネスだからこそ、乗客を幸せな場所にピンポイントで連れていけますし、乗務員自身もストレスフリーを求めて美しい夕焼けや美味しいお食事処にいつでも行くことができる。
この、周りに気兼ねすることなくいつでも好きな場所に行くことができる・選択できる というのは幸せなことなんですね。乗客とその家族が抱える外出の悩みを解決できるからこそ売上が得られ、生活費と経費を出して税金も払えてビジネスとして成り立つことができる。先輩同業者のそんな活躍ぶりを見て私も…と起業を決意するのでしょう。
外出サポートで乗客と共に楽しい時間を過ごしたい
どうせ仕事するなら楽しくやりたいですよね。それを実現できるのが観光介護タクシーです。簡単に言えば、介護タクシーとは乗客の健康維持や社会とのつながりを得るために利用される送迎介護タクシーと、非日常の観光ドライブで乗務員も乗客も一緒に楽しめる観光介護タクシーに大別されます。
余談ですが、救急車の次に医療的な搬送で社会貢献している民間救急タクシーも観光ドライブは提供できますが、その資機材を備える車内空間や独特の外観ボディのデザインと清潔搬送に欠かせない独自のユニフォーム(作業着)が、観光ならではのワクワク感を損ねてしまいます。
共に「楽しい!」と感じるまでにはそれなりの下積みが必要ですが、楽しさと収入が大きいのも観光介護タクシーの魅力の一つです。誰もがみな幸せになりたい。ならば障がい者高齢者へ幸せと感動とつながりを先に与えるべきです。観光ドライブの魅力を知った開業者はじわりと増えています。
まとめ
一度しかない人生、後悔のないように準備をしてより良い決断をしてほしいと思います。私は経営をしたくてこのビジネスを選んだわけではなく、時の流れるままに選択/決断して今があります。
毎月開催しているセミナーでは観光介護タクシーの魅力とこの仕事に携わったきっかけなどもお話ししていますので、人生を変えたくて介護タクシービジネスを志している方はぜひご参加ください。
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