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福祉タクシー運行で介護用スロープ使用回数が少なくても備えるべき1つの強い理由

そろえたい福祉機材

 

その介護用スロープを使うことで車いすユーザ本人、そして、家族の安心感が得られるからです。

おまけで介護タクシードライバーの安心感とラクラクも(笑)

 

 

先日の介護タクシー運行では、当社のリクライニング車いすを使用して病院から自宅への退院利用でした。

 

 

退院先・お客様自宅の環境は様々。

スムーズに自宅内までアクセスできる場合もあれば段差/凸凹路面など障害物が車椅子の進入を阻むことも珍しくありません。

 

11年このビジネスをやってきての認識ですが、バリアフリー・ユニバーサル社会実現!と叫ばれるものの、

介護タクシー乗客の自宅環境はノンバリアフリーが当たり前。

 

 

おもに65歳以上の要支援・要介護の高齢者が乗客ですから、バリアフリー新法が定められた平成18年よりもまえに設計された家屋設計の自宅orアパートに住んでいるかたがほとんど。

車いすユーザー目線など微塵も考慮されていない階段・段差があってやっと玄関先や軒先にアクセスできるわけなんですね。

道路から自宅の境目にある段差3つ

例えばこのような段差

例えばこのような段差

 

お客様自宅前の道路から玄関先までに段差/階段があるという前提で、介護タクシー事業者は介護用スロープを備えておく必要があります。

 

今回ご紹介するスロープは最大段差65センチまでにも対応できる(介助者2人必要)、リッチェル伸縮式ワンタッチ介護用スロープです。

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リッチェル伸縮式介護用スロープの外観・特徴

 

リッチェルスロープ外観

一体型ではなく、左右それぞれが独立しているスロープです

 

スロープ伸び縮み操作をワンタッチで行うレバー(左)と持ち運び用のグリップ(右)

 

スロープ単体の重さは7.5キロ。

両方合わせて15キロなので女性だと持ち歩き/取り回しに不便を感じるやもしれません。

 

 

4年前に購入したもので経年劣化感をPRして申し訳ありません(笑)

スロープ両端にはまっくらな夜間時でもほのかに光る蛍光テープが車椅子車輪の進入を安全にガイドしてくれます。

 

あらゆる車椅子タイヤ製品のゴムに食いつく滑り止め加工も施されていますので、傾斜角度のある段差を乗り越えるアプローチでも安心です。

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スロープ裏面の両端にも滑り止め加工のラバーが施されています。

あらゆる路面にもこのゴムラバーがぴったりフィットしてくれてスロープ設置のズレを限りなくゼロにしてくれるんですよね。

 

リクライニング/チィルト式車椅子にこそ効果を発揮するリッチェル「伸縮式」スロープが強み

 

過去の運行経験を振り返ってみると、このスロープを使用した時のお客様は、背もたれが倒れるリクライニング式か お尻の前ずれを防ぐチィルト式車椅子ユーザーが圧倒的に多かったです。

こちらがチィルト式車椅子

こちらがリクライニング式

よく見てみると、どちらの車いすも、前輪と後輪がやや離れています。

その理由は、寝たきりの方や仰向け状態で移送しなければならない患者の安定状態を保つために施された設計なんですね。

 

このタイプの車いすでは、高さ10センチ未満の段差すら乗り越えることができなかったりします。

 

画像の縁石は高さ20センチ。

このリクライニング車いすでは高さ20センチをそのまま超えることはできません。

しかし、リッチェル伸縮式介護用スロープを使えばこのとおり。

とてもラクに車いすを押し上げることができて段差をクリアできます。

 

寝たきり状態で段差60センチをクリアできるのか?

あくまでもこの商品がもつポテンシャルや可能性…というポイントに着目しての紹介です。

推奨しているわけではないのでご理解ください…(苦笑

例えばこのような段差があった場合

高さはおよそ65センチ。

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手前のゴツゴツした石とスロープ先の床面はほぼ水平です。

 

 

6段先のエリアまで、寝たきり状態の患者を安全に・患者に負担なく押し上げることが物理的に可能なのか??

上記画像はスロープをフルに伸ばした2メートル長さの状態です。

 

補足ですが、寝たきり状態の患者を高いところへ移動させたりスロープ坂を上るには頭から進入させなければなりません。逆向きだと患者の頭に血が上っちゃいますからね(苦笑)

 

介護タクシードライバーが下側にまわってアームレストフレームに手を当てながら押し上げ、もう一人の介助者(家族に協力を仰ぐなど)が頭側にまわって車椅子フレームを引っ張り上げることで段差60センチ越えも決して不可能ではありません。

 

過去の経験でいえば、私一人で高さ40センチの軒先段差を、リッチェル伸縮式スロープを用いて自宅内へとガイドした経験があります。

その方は体重55キロほどでしたね。

 

 

しかしながら、このスロープを製造している(株)リッチェルでは介助者2人に対してスロープを最大長さ2メートルにして高さ40センチまでを安全範囲と指定しています。

製品が指定する安全基準にのっとって介助するのは当然としながらも、リッチェル伸縮式介護用スロープを備えていることで険しい段差をクリアできるポテンシャルは感じとってもらえたのではないでしょうか。

リッチェル伸縮式介護用スロープのデメリットとは

ズバリ、

一体型介護用スロープに比べてセッティングに時間がかかる

この1点ですね。

 

一体型とはこのようなものです。

↓ ↓ ↓

こちらのスロープは折りたたまれた状態から広げるだけ…というもので、段差そばに常備していれば所要時間にして30秒以内でしょうか。

 

対して、リッチェル ワンタッチスロープ なら

  1. 段差前までスロープ2本を運び
  2. 車いす車輪左右の幅を視覚的にとらえ
  3. これから乗り越えるべき段差高さも視覚的にとらえ
  4. 患者/介助者の安全を考えたスロープ長さへセッティング
  5. スロープから車いすが脱輪しないよう左右幅をそれぞれセッティング

 

というプロセスが交じり、手慣れていても所要時間は1分半かかるでしょう。

 

 

一体型はスロープ長さと幅がすでに決まっているので広げるだけ。

 

リッチェル伸縮式スロープは〝あらゆる段差(高さ)に適応させる伸縮式〟ゆえに個別型にバラけさせてしまわないと製品として成り立たなかった。(←私の推測です)

 

さきほどの一体型スロープで伸縮式の特性を加えたとしたなら、

重すぎてかさばって現場で取り扱いづらいわけですよ(笑)

 

皮肉なことに、伸縮式というメリットがデメリットとしても捉えられるわけなんですね。

 

介護タクシー乗務員は〝様々な〟住宅環境に対応しなければならない

 

例えば、お客様すべての自宅環境の段差が30センチ以内に統一されていたなら一体型介護用スロープでいいわけです。

その30センチ高さに安全にアクセスできる傾斜角度を計算して、それに適した長さのスロープを用意すればいいわけですから。

 

ちなみに、安全にアクセスできる傾斜角度の計算方法は、

その段差の高さ×6倍

ではじき出されます。

 

高さ30センチの段差をクリアしたいなら1.8メートル長さのスロープが望ましいわけですね。

 

とはいえ、現実の介護タクシー運行現場では、1.8メートルの長さを設置できない狭い環境の中で自宅内にアプローチしなければならなかったりします。

 

理想は理想として考え、お客様ごとに異なる現場の自宅環境をふまえて臨機応変に対応しなければならないんですね。

 

最短で1.4メートル

最長で2メートル

 

への伸び縮みが可能なリッチェル ワンタッチスロープならその場に応じた長さ調整ができてリクライニング式/チィルト式車椅子のまま安全に自宅内にアクセスできます。

 

 

介護タクシービジネスでは、福祉機材の選択肢が多ければ多いほどお客様に対して最適かつ安心/安全の答えを提案することができます。

 

このスロープは、今でもその役目を大いに果たしてくれているのです。