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安さでお客様が喜ぶと思っている介護タクシー事業者はじつは無責任なのである

介護タクシ―経営
2020年7月リライト済の記事です

 

ある日のこと、

ケアマネージャーから遠方の病院へ通院利用での介護タクシー送迎料金の見積問い合わせがありました。

 

その依頼内容はこうです。

 

 

  1. お客様自宅→病院→自宅近く・デイサービス事業所までの移送であること(総 走行距離124キロ)
  2. お客様住居2階からの階段介助が必要(往路1回のみ)
  3. お昼のスタートのデイサービス開始に間に合わせたいので、診察終了後すぐに駆け付けてもらえるように病院・駐車場での待機を希望

 

 

それに対して私の見積内容はこうなりました。

 

  1. 片道移動距離62㌔→¥12,000×2回=¥24,000
  2. 2階からお客様を車いすに乗せたまま1階へ階段介助→¥1,000
  3. 待機時間・2時間として→¥4,000
  4. 高速料金→¥1,840(往復)
  5. 乗降介助料金→¥2,000(往復)

 

見積合計 ¥32,840

 

 

それに対して、相見積もりをとったケアマネが、〇〇介護タクシーの見積額を伝えてくれました。

 

見積合計 ¥18,000

 

 

 

…なぜこのような金額になるのでしょうか。

いうまでもないことですが、私がぼったくって見積もっているわけではありません(苦笑)

 

運賃見積もりの根拠ですが、沖縄総合事務局へ認可された算定表に基づいてはじき出した片道¥12,000です。

 

 

それを30%近くもダンピングした介護タクシー事業者。

しかも乗降介助料金すらも徴収せず階段介助も頂かない、高速料金も見積もらない。

申し遅れましたが、その同業者のタクシー車両は私のタクシー車両と同サイズのもの。

認可申請された運賃もほぼ変わらないはずなのです。

 

車いすユーザー2名同時乗車、ストレッチャー搬送もOKのTOYOTA 80ヴォクシー

 

それなのに、運賃もごっそり割引き介助料金も頂かず、その日のお仕事が欲しいがためなのかダンピング見積りをケアマネに提示した同業者に正直あきれ果ててしまいました。

 

最終的にはご家族がどちらの事業者を利用するかの判断を行うのですが、私の見積¥32,840を聞いた後での¥18,000では、正直印象がガラッと変わりますよね。

 

お客様はその同業者を選ばれました。

 

その決断は間違っている…!!

とは申しますまい。

 

安さを重視するお客様は現にいらっしゃいます。

もしかすると経済的に困窮した世帯だったかもしれません。

生活するためにいろいろな費用をしはらい、家族の通院費用・介護保険負担・税金の支払いうんぬんを考えれば100円でも1000円でも安い介護タクシーを選びたいというお客様心理は理解できます。

 

 

しかしながら。

 

 

私が違和感を覚えるのは、こういったダンピング見積をする同業者の経営意識です。

いつまで安さを売りにするのでしょうか。

安さで集客したお客様が結果として悲惨な事故に巻き込まれたあの悲劇を覚えていないのでしょうか。

誰も幸せにならないシステム バスツアー事故に思う

 

バスにしても電車にしても新幹線にしても、乗客の臨む場所にピンポイントでお運びするにはコスト(車両整備費/保険/車いす機材メンテ費etc)がかかりますし、

安心安全という運行ビジネスの当たり前を約束するために、道路上で神経を研ぎ澄ませる乗務員の働きを報酬で評価する、というビジネスの原理原則を守らねばならないのです。

 

乗務員とタクシー車両がくたびれてしまっては、お客様の命を危険にさらしてしまう確立を高めてしまうのですから。

介護タクシー乗務員は神経を削ってお客様を安全に目的地へお連れする

 

道路からの予期せぬ飛び出しに備えて安全意識をはりめぐらせ、

わずかな段差でもタクシー車内で跳ねるように揺れ動く車椅子ユーザーへの配慮に気を緩めることなく、

ミリ単位でアクセル・ブレーキの踏み込み操作をおこなう介護タクシー乗務員は、神経をすり減らしながら毎日安全運行を行っています。

 

 

ノンバリアフリーなお客様住居2階からの階段介助に関しても、そのスキルを習得するまでに時に腰を痛め・太ももがパンパンになりながら何度も何度も訓練します。

 

その修練期間と自信を備えたからこそ、初めて、安全に車いすユーザーの階段介助をおこなえるのです。

 

 

先日、数年ぶりに同業者と交流を行いましたが、あいかわらず乗降介助料金を頂かない、または、半額以下で請け負う介護タクシードライバーがいるとのこと。

 

 

なぜなんでしょう?

 

儲けたくないんでしょうか。

 

 

お客様に自信をもって提供できない乗降介助サービスなのでしょうか。

 

その日の人件費と燃料費だけ稼げればいいと思っているのでしょうか。

 

介護タクシー車両のスロープが壊れたら・車椅子固定ベルトがある日突然破損したら修理に出さねばなりませんが、その費用は手元にあるのでしょうか。

 

 

介助スキルアップに繋がる有益なセミナーへの参加費用や、これからのご縁につながる見込み客へのPRメッセージが詰まったチラシ・名刺・ウェブサイトへの広告費用はどうやって見繕いましょう。

 

労働提供した時間に対してトントンの料金ではなく、

プラスαの儲けを出し続けないと持続的な経営は成すことができないのです。

 

介護タクシーサービスは安さをウリにせず 本気度で勝負する

このブログは介護タクシー事業者に向けて書いていますが、これから介護タクシー利用を検討している/利用したお客様もいらっしゃるかもしれません。

 

申し上げたいのは、お客様も(乗客)も、ピンポイント輸送で希望の目的地に安心安全便利な移動ができたのかどうかの、サービスをきちっと評価していただきたいのです。

 

 

介護タクシー事業者は安さでお客様の関心を引き付けるのではなく、

サービスを提供した後のお客様感動を本気で引き寄せるべきなのです。

 

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