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熱烈な野心と使命なくして介護タクシー増車増員は成すべからず

80ヴォクシー前期(介護タクシーめぐり)と後期が並ぶ画像介護タクシ―経営

不安でいっぱいの介護タクシー起業から試行錯誤と地道な営業活動を積みかさね、仕事の依頼が増えてくると、リピーターと新規お客様の予約がバッティングすることがあります。

 

1回だけならまだしも、2回3回5回と重なってくると「お、これはいよいよ軌道に乗ってきたな…」と妙な充実感をおぼえ、介護タクシー車両の増車とスタッフの増員でさらなる売上拡大を図るべきか否かの選択を迫られます。

 

せっかくお問合せ頂いたのに、同業者に代行依頼するのもお客様の気持ちを損ねたような申し訳なさを感じますし、何より、「お客様を獲られてしまうんじゃないか?」という焦りがでてくるんですね(苦笑)

いまはそんな気持ちになりませんが。

 

私の見解では、起業あとの介護タクシー増車/スタッフ増員は止めておいたほうがいい です。

 

■人を雇う
■設備(車両/機材)を増やす

これは想像しているよりも責任が重いですし、世情がめまぐるしく移り変わる現代では、ヒト&モノを抱えるビジネスはなるべく避けるべきなんです。

 

ヒト&モノありきの介護タクシービジネスだからこそ、、なんですね。

介護タクシー依頼は ある日突然途絶える その理由

理由その1 間接競合の存在

社会福祉協議会・福祉車両の無料レンタル

全国には、地域の福祉に貢献する「社会福祉協議会(以下:社協)」が必ずと言っていいほどあります。

都道府県単位で47 市町村単位では3364 の社協が活動しています。

内閣府:社会福祉協議会の現状

活動内容をすこしだけ挙げると、独居高齢者宅の草刈りや障がい者社会参加のためのレクリエーション活動などを提供するほかに「車いす仕様:福祉車両の無料貸し出し」も行っています。

 

窓口に赴いて申請を行い、営業時間内に車両返却することや取り扱い方法を覚える、運転手確保という手間はありますが、ガソリン代負担のみで福祉車両を使えるのは利用者にとって大きなメリットです。

 

私の営業エリア内でも、社会福祉協議会の車両で通院する人々をよくみかけます。

100円でも出費を抑えたい利用者にとってはありがたい制度であると同時に、介護タクシー事業者にとっては悩ましい存在です(笑)

 

介護タクシーを利用していた人も、社協の実質無料の福祉車両レンタルを知ってからは、リピートが途絶える場合もあります。

 

格安福祉レンタカー/福祉車両カスタマイズメーカーの存在

トヨタや日産なども多種多様な福祉車両レンタカーを取り揃え、介護タクシー料金の半額以下で利用できる格安料金を武器に、TVCM・福祉イベントなどで消費者へゴリゴリPRしています。

また、中小零細企業が貸し出す福祉車両の存在も忘れてはなりません。障がい者自身が運転できる手動運転設備」を整えた乗用車や、スロープ/リフト車を取りそろえる事業者もいるのですね。

 

私のお客様から聞いた話ですが、かつては那覇空港まで車両を回送してもらい、自ら運転して沖縄観光を満喫したそうです。

 

また、自家用車を福祉車両へとオーダーメイドでカスタマイズできる企業も続々増えています。

◆障害を抱えても自ら運転できる喜び・行きたいと思った時にすぐ外出できる爽快感
◆介護タクシーよりも格安料金
これらが確実に味わえるなら、わざわざ介護タクシーという交通機関を選ぶまでもないというわけですね。

自家用・福祉車両の存在

そろそろ車を買い替える時期かな。。。両親が車椅子ユーザーになった→じゃあ、車椅子がそのまま入る福祉車両を買っちゃおう

 

見知らぬ運転手や愛想の悪いタクシー乗務員より、家族水入らずでの外出のほうが気楽でいいよね

 

このような消費者のニーズも確かにあります。
また、友人知人が好意で福祉車両を貸し出す場合もあるでしょう。
ガソリン代だけを負担すれば通院やショッピングに利用出来るのですから、高いタクシー料金払うよりどちらを選ぶかは明白です。

理由その2 介護タクシービジネスモデルの構造

台数を増やせば今まで取りこぼしていた予約依頼をゲットできるので売上アップの機会に恵まれますが、介護タクシーならではのビジネスモデルは、そう簡単に収益を稼げない構造なのですね。

1:客待ち・流し営業ができない
2:健常者から料金を頂けない
3:通院・入退院・転院でおきる待たされ時間

事業許可の特性上もからんで、一般タクシーのような乗務回数を稼ぎ出す運行ができません。

 

介護タクシーは、電話/メールでの事前予約を受け付けてからはじめて運行提供できるので、歩道にいる車椅子ユーザーや健常者が乗車の意思表示をしても乗せられないことになっています。

「回送・空車・実走」をしめすデジタルランプがフロンド硝子付近に設置されていないのもこういう理由から。

 

ここで乗客獲得の機会損失が発生していますよね。

 

介護タクシー運行目的の大半を占める病院/クリニックの往復送迎(透析ふくむ)を承ったとして、お客様の診察が予約であったとしても、いつ終わるかわからない(読めない) 状況では、他のお客様タクシー利用の内容を踏まえた運行スケジュールが組みづらいのです。

 

予約Dさん AM11:00に病室を出発…と事前打ち合わせしていても、退院手続き(会計・薬受け取りetc)が済んでいなくて、結局は11:20まで待たされることも珍しくありません。

 

病院側としても家族側としても、その後に待っている予約Hさんのことなど関係ありませんからね。

 

もちろん、台数とスタッフを増やすことで一人では対応できなかった範囲をカバーしてもらえるのですが、増車増員した分の予約(売上)獲得に直結するかと言えば別の話になってきます。

 

そもそも、介護タクシーって毎日使うものじゃないんですよね。

エブリデイ・エブリバディではない 介護タクシーニーズ

先ほども少し触れましたが、介護タクシーは健常者だけを乗せてお金を頂けません。自分の力でバス・タクシー・電車・舟・飛行機などの交通機関に乗れる人は、乗客対象者ではないのです。

 

介護タクシー乗客については、下記のnote記事にがっつり書いているので、お時間あるときにご覧くだせぇ。

 

あらためて乗客対象者(要支援・要介護・障がい者etc)が〝どういった時に介護タクシーを使うのか〟 そのニーズを洗い出してみます。

 

私の運行データからはじき出した結果がこちら。

通院・入退院・転院 →60%
買物・余暇外出・申請→20%
観光        →10%
通学        →10%
通学以外は「毎日必要なもの」ではないですよね?
介護タクシー利用の大半を占める病院/クリニック送迎も、体調維持のために仕方なく というものです。体調良好なら介護タクシーは必要ありません。買い物・余暇外出も毎日必要ありません。家族や友人知人にお願いすれば生活必需品も買い物してもらえますし。
貸切観光ドライブにおいても、毎月毎年利用する障がい者高齢者はいません。
我々健常者でさえ、毎月毎年47都道府県や海外に観光するような時間とお金に余裕のある人はいませんよね?
また、ココロとモノのバリアフリーが未成熟な現状の日本において、障がい者1人でも気楽に旅行/観光できる環境じゃありませんから、日常の外出よりも観光に対するハードルはさらに高いのです。
観光バリアフリー宣言をPRし、障がい者高齢者が安心して観光を楽しんでいただける環境や空気づくりの先駆け的存在の沖縄でさえも、障がい者高齢者は1度訪れたら次に訪れるのは3年後か否かというものです。費用と時間を確保するのはそう簡単じゃないですよね。
自治体との契約事業(移動支援・通院/通学支援)なども、今年度までね なんてことはあり得るわけです。毎年あるものだと余裕こいていると痛い目をみるでしょう。
利用者にとってこれらの事業は基本的に低負担ですが、税金で予算を確保していることから「通院に使えない・寄り道ショッピングできない・月に1回だけ」などの縛りがあります。
個人的にはハンディキャップへの移動の権利はもっと与えられるべきだと考えますが、外出を容易に快適にする環境(道路/交通機関/店舗)がまだまだですし、障害年金から捻出する実費負担では、そう簡単に介護タクシーを利用できません。
初乗り運賃だけを助成するタクシーチケットも無いよりはマシという程度のもので、利用者の外出意欲を湧き上がらせるモチベーションになっていないのです。
必然と介護タクシー利用頻度アップにはならないわけですね。

理由その3 絶対によめない突然のキャンセル

この記事を書いているまさにその瞬間、キャンセル申し込みがデイサービス施設職員よりありました(笑)

例えば予約Gさんだったとしましょう。そのGさんの運行内容を伺うと、買い物付添い&お食事同行でした。所要時間は1時間弱。Gさんの外出依頼を遂行するにはマンツーマンで付き添うので他の予約依頼を断らないといけません。

 

そうしてGさんのために抑えていた1時間と見込み売上が、急になくなります。

 

介護タクシーの乗客は何らかの体調不良要因を抱えている障がい者高齢者ですから、「急に体調崩して…」と言われれば、もう、どうしようもないんですね(苦笑)

 

理由その4 予測不能なウィルス蔓延で外出がストップ

この記事を執筆している2020年3月中旬においても、新型コロナウィルスが脅かし続ける驚異の感染力により、あらゆるイベント・祭りが開催中止を余儀なくされました。私も発達障害児の通学送迎が突如休止になりました。

 

数か月前から介護タクシーを予約していて、この日(観光/旅行)のためにお金を貯め・時間を確保して楽しみにしていた障がい者高齢者も多くいたはずです。泣く泣く外出をあきらめたことでしょう。

インバウンド障がい者からの貸切観光を請け負っていた介護タクシー事業者もキャンセルを受けたのではないでしょうか。

 

どんなに盤石な経営体制を整えても、予測不能な事態・出来事は起きますからキャッシュがどんどん枯渇していくのです。

 

タクシー運行事業1本で生活費と経費を賄うことの危険性を、このウィルス蔓延が無情に非情に突きつけてくれましたよね。

まとめ

この仕事は、ある日急に依頼が途絶えます。
リピーターが突然亡くなる、制度が変わる、介護タクシーよりも格安で快適な代替交通手段がある、災害・パンデミックなどによって。
これらの要因を知ったうえでも、
◆一人でも多くの、もっと多くの、ハンディキャップお客様を喜ばせたい!
◆秘策のアイディアで乗務回数アップして売上拡大!
◆国土交通省にかけあって介護タクシー業界の構造を刷新する!
という使命や野心があるのなら、仲間を集めて、増車してもいいでしょう。
私にはその覚悟がないだけです。
私は、目の前にいるお客様を喜ばせることに心血を注ぎ、等身大の社会貢献を一つ一つ成していきます。
それは、乗務員1名/福祉車両1台でも十分成しえることなんですね。
あ、一つだけ老婆心を。
介護タクシー事業者は今すぐにでも情報発信力を鍛えておいたほうがいいですよ。
これさえあれば、どの世界でも生きていけますから。
介護タクシーって空き時間多いですよね、この時間を活用すべきですよ。
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