介護タクシービジネスを起業/開業しようと考えている人へ、この運送事業の心構えをブログタイトルで問うてみました。
事業ですから、利益を生み出し続けなければ即廃業です。
ビジネスとして当たり前すぎるお話ですね。
なんちゃら法人のように公的な補助金や自治体からの支援が受けやすいわけでもなく、儲けたお金に対してかかる税金の優遇なども受けられない
「儲かることを前提」としている営利事業ですから、売上獲得が何よりも大事なわけです。
それを知ってか知らずか、とにかく介護タクシーを開業しようと心に決め、1つでも多くの有益情報をあつめようと検索をかさね、
このブログにたどり着いたそこのあなた。
貴方の為のブログですよ。
介護タクシー売り上げ¥0・¥1,000の現実(リアル)
その日は朝の1件のみの運行。
午後に入っていた予約も突如としてキャンセルになりました。
このまま定時を迎えそうだな、、と思っていた矢先、
「近くのスーパーまで買い物行きたいですけど、大丈夫ですか?」
と、新たな介護タクシーの運行依頼がはいりました。
その方は以前にもご利用のあった方でした。
電話で予約内容をうかがう限り、運賃/サポート料金含めても1000円の売り上げだという事はすぐに把握できました。
さぁ、
介護タクシーを開業しようと志して、
少しでも有益な情報を集めようとこのブログをご覧のあなた。
自分が仕事を終えようかなと思っていた矢先の
売り上げ1000円のご依頼、ご予約を受けられますか。
売り上げが大したことないから、
「すいません、今日の営業は終了です。」と、
お断りするのでしょうか。
何が言いたいかと言うと、その顧客が生み出す売り上げ数字だけに捉われると、この仕事は長く続けられません。
売り上げを獲得する以上に、とても大事な、この仕事の価値に気づけないだろうと強く実感するんです。
さぁ、その1000円の運行内容とはいったいどのようなものだったのでしょうか。
介護タクシーの存在意義は障害者高齢者の黒子に徹するということ
片麻痺のお客様は若くして脳卒中で倒れ、週の半分はデイサービスに通いつつ現在お一人で暮らしている方。
自分でやれることは自分でやろうという気概のある方なんだなと、介護タクシー車内の会話でお見受けできました。
倒れた直後は、その絶望感にさいなまれて打ちひしがれていた時期もあったことかとおもいます。
しかし、その人にだけ訪れる壁や障害や不幸は結局のところ、
時間をかけて自分自身で乗り越えるしかないのです。
まさにこのお客様はその気概を感じさせる方でした。
以前介護タクシーをご利用されたときは杖を使わないと店内歩行に不安を抱えていらしたので、
私が売店で買い物かごを持ってお客様の指示に従い商品を入れ、レジカウンターに買い物かごを乗せ、
お客様は片手でやりにくそうにバッグのチャックを開け・財布を取り出し・お金を支払い、2~3キロはある買い物袋を私が持ってお客様の自宅まで運ぶ、、、、という運行内容でした。
3回目の介護タクシーご利用の時、
お客様が杖を使っていない事に気づき、
「あれ?今日は杖持ってないんですね。」
と尋ねると。

ああ、なるべく杖を突かないで歩く練習してるんだよね
とさわやかに呟かれたではないですか。
万が一のつまづき転倒も考えられますから、私は常にそばに寄り添いながら買い物同行をサポート。
そのときは私の肩に手をかけながら歩いていたのですが。
その時ふと、私の口からこのような言葉が出たんです。

お客様、素晴らしいですね。杖を突いて歩くことに慣れてしまうと、備わっていたバランス感覚や体幹力が鈍っていくんじゃないかなと思うんですね。その熱意に感動しました。
お客様の年齢は40代半ばから50代でまだまだお若いです。
何気なく出た私の発言がお客様にとってすごく腑に落ちたようで、ご利用4回目の買い物同行ではお客様自身が
買い物袋も自分で持つ!
とアツい気持ちを見せつけてくれて、たどたどしい足取りながらも、ほぼご自分の力で買い物を済まされたのでした。
(杖歩行なし、店内移動はカートを活用して)
その時の私のサポートは、万が一の転倒を想定した付き添い介助とお客様がどうしても出来ないことへの補助的介助。
(下に陳列しているお菓子を取ったり、購入したい物品場所への先回り誘導など)
お客様の自立心あふれる熱意と実行力を目の当たりにした時に、このお仕事に携われてほんとよかったなと思うのです。
売り上げも大事です。
利益はもっと大事です。
しかし、
売り上げ1000円のお客さまとの触れ合いから、ご自分なりに現状を改善しようと奮闘されている空間を共有できることは、かけがえのない財産(瞬間)なのではないかと考えるのです。
その突然のご依頼をお断りしていたら
このような瞬間に立ち会えなかったでしょう。
介護タクシーの価値とは、
このような自立しようと奮闘されているお客様の人生の瞬間に
立ち会えること・関われること・感じれること。
そして、けっして派手さはないけれどお客様の外出を支える黒子的な役割を演じられること。
その方たちの日常生活、時には非日常生活(ライブ・お祭り・旅行など)
の目的を達成する支えとなれるタクシーであること。
ピンポイント輸送が可能で
前後の介助もしっかりと行う介護タクシーだからこそ立ち会える
瞬間なのです。
勿論、奉仕の理念だけでは事業は継続できません。
お客様に喜ばれてこちらもしっかりと儲ける、という流れが一番望ましいのです。
しかしながら、
お客様を運行回数1回・2回とか、
この人の運行収入はいくらだから予約は受けないとか、
単なる数字だけの概念でしかとらえられない人は
このお仕事に向いていないと思います。
それを知ってでも貴方はこのお仕事に挑戦したいと思いますか。
開業セッションはこちら