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【介護/福祉タクシー事業者 必見!】車いす固定ベルト基本操作を守らないと…

介護タクシ―経営
2020年7月リライト済の記事です

 

車いす利用者を送迎するデイサービス・デイケア事業者や、障がい者支援施設入居者の車いすユーザーと外出支援を行う事業者、

そして、車いすユーザーの送迎が主の福祉/介護タクシー事業者に一つお聞きしたい事があります。

 

 

外出の際は、お客様(入居者様)ご使用の車いすをベルト・ワイヤーで固定していますか?

 

 

まぁ、当然ですよね(笑)

固定していなければブレーキングで車いすは運転席側に飛び出しますし、歩道と車道の境目に設置された高さ5センチ以下の縁石を往来するだけでも、車いすユーザーの身体が想像以上にガタ揺れして不快感を与えてしまいますから。

 

 

ではもう一度お聞きします。

 

毎回毎度、基本に忠実に車いす固定をしているでしょうか。

 

 

基本に沿った車いす固定操作を行わないとベルトの消耗を早めてしまい、高額な部品交換を余儀なくされてしまいます。

 

 

実は、私の相棒ZZR80改ヴォクシー福祉車両の車いす固定ベルトが擦り切れかかっているショッキングな現実を、点検時に見つけてしまったのです。

 

 

車いすユーザーの送迎を担当する福祉車両ドライバーなら、知っておいて損はない記事になると思います。

 

あと、これから介護タクシービジネスを起業する方にも極めて重要な予習的ブログとなりましょう。

車いす本体に引っ掛ける固定フックの〝高さ〟に注目せよ

 

弊社の介護タクシーはスロープ乗降タイプの車いす仕様 福祉車両です。

リフトタイプに比べスピーディーに車いすユーザーを乗降完了させ、斜め進入のアプローチにより転落への不安もほとんどない所が大きなメリットです

このスロープ福祉車両で車いすユーザーを乗車させる手順と言えば、

 

車いす前方フレームに後退防止の固定ベルトを引っかけたら、介助者が腕力と脚力をバランスよく使ってユーザーを車内進入させます。(かよわい女性ドライバーや100㌔越え車いすユーザーなら、電動ウィンチ機能を併用すればOk)

 

通常の車いす乗車位置がこちらになります。

↓ ↓ ↓

 

この位置まで車いすユーザーを進入させたら、介助者は車いす後方の固定を行います。

 

フロア面にある左右のフックで車いす後方のフレームに引っかけて固定します。

 

ここからが重要なのですが、車いすユーザーの送迎を行うドライバーは今までにこのような固定方法を行ったことはありませんか?

一見、良さげに見えますが……

これ、よーく見ると、左右のフックは平行位置で引っかかってないんですね。

画像編集ソフトの取り扱いが上手くないんでご容赦願いたいんですが(苦笑)、

フック上部(赤線)の左右と、フック下部(黄線)左右の高さズレに気づいてもらえると思います。

 

この誤った固定方法の重大さを認識しないまま、数回・数十回続けると、固定ベルトの摩耗を早めることになります。

 

ZRR80Wヴォクシー車いす固定ベルト破断の予兆とその発生時期は

 

ベルト破断の予兆が……

↑ ↑ ↑

明らかに、右側ベルト外観に異変が見られますよね(苦笑)

もう少しで切れてしまいそうな不安を覚えます。

 

左側の固定ベルトは異常が無いだろうな、、と思いながらも確認のために引き伸ばしてみると……

↓ ↓ ↓

白く波打ったような線の跡が確認できます。

左側ベルトも破断を予告するかのような波打った白い模様が確認できました。

指先でなぞってみると、少し凸凹した感触がえられました。

 

この異常に気付いたのは、この福祉車両を購入して11か月目の総走行距離にして42,500㌔の頃でした。

 

【80ヴォクシー 2017年12月末にて運行開始・総走行距離12000㌔時点】

※ディーラーから購入した時点でベルト摩耗状態が有ったのか無かったのかを確認しませんでしたが、それから数十組のお客様運行を重ねてきてある日突然気づいた…という背景も申し添えておきます。

 

車椅子固定ベルトの破断現象はなぜ起きたのか

私はこの介護タクシー事業に携わる前に、

  • 建設機械整備士
  • 趣味でバイク・車いじり

にかかわり続けてきました。

 

その経験から言えることは、

左右のフックに均等にテンション(張力)がかかっていなくて、アンバランスな状況の中、運行中のブレーキング・路面凹凸や車道から歩道の境目にある縁石を乗り越える際に車いすが暴れないように固定されるベルト本体に負荷がかかり、摩耗を早めてしまったのではないか?と推測しました。

 

 

もう一度画像を戻しましょう。

 

車いす後方フレームにフックを引っかけた後、固定ボタンを押し続ける(80ヴォクシーはピッピッピッと鳴り終わるまで)事で、固定ベルトはフロア下に格納されたリールに巻き取られて固定完了となります。

上記画像の、フック高さのズレをベルト巻取り数値で例えてみると、左ベルト8:右ベルト10 といった所でしょうか。

 

ここで強く訴えたいのは、左ベルト10:右ベルト10

となるよう左右均等なテンション(張力)がかかるように配慮しなければならないということです。

 

じゃあどんな風に?

 

画像でいうとこんな感じ。

注意深く観察すればビミョーーーにズレているんですが(笑)、ほぼ均等の高さにフックがかけられていますよね。

この配慮が大事だと思うんです。

 

これは論外です(笑)

これも論外(笑)。左右のフックが平行位置に引っかけられていないとダメです。

 

とはいえ、このような左右アンバランスな固定を今までに行ったことはありませんか?

正直に告白すれば、私は、何度か行った経験がありました。。。

 

  • 雨の日にお客様乗降をスピーディーに終えたいと少しあせっているなかで
  • 何となく(←気の緩み)
  • 特殊な車いすのフレーム構造により

 

勿論、お客様の車いすが車内フロアにしっかりと固定されている事を確認していましたが、固定が成されていればいい とだけしか考えていなくて、

固定ベルトの製品寿命にまではフォーカス出来なかった。

 

このZRR80W改ヴォクシーの取り扱い書を改めて読み込んでみると、固定フック位置が下記画像のように指定されていました。

 

ZRR80ヴォクシー車椅子仕様車の取扱説明書から学ぶ車椅子固定基本操作はこれだ

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 

まぁ、確認不足の自業自得だったという事ですね(笑)

 

しかしながら、お客様がご使用の車いすは様々な形状があります。

リクライニング車いす ティルト式リクライニング車いす などは説明書に掲載されている車椅子のようなフレーム構造になっていないので、固定ベルトを引っかける場所探しにけっこう難儀します。

 

車いす重量だけで100キロ近くある特殊型電動車いすともなると、ユーザーのお尻下にあるバッテリー搭載スペースが車椅子固定ベルトを覆いかさぶるように遮ってしまうんですよね(苦笑

両サイドからフックを立ち上げて固定するしかない場合も。

電動車いすも様々あるが、バッテリー内蔵型だと、既存の固定ベルトが使えない。

上記画像のような特殊型電動車いすでは、車いす操作を終えると同時に自動ロックがかかる設計のものもあるようですので、後退防止ベルトだけでもよさそうなものですが、

万が一の衝突事故(バックドア・サイドドアからの追突など)発生のリスクを考えれば、やはり、前方・後方4か所からの固定アプローチ・そして、シートベルトでお客様の身体をしっかりと固定しなければならないでしょう。

 

 

横転事故ともなると、車内で車いすが暴れまわりますからね。

 

因みに弊社介護タクシーめぐりでは、アンカープレートを設置していますので、車いす固定専用のバックルベルトと組み合わせて、どのような車いすでもストレッチャーでも4か所から固定が可能です。

赤印部のアンカープレートにベルトを設置して、ストレッチャー・電動車いす・特殊車いす後方の固定が可能です。

 

 

こちらの手動 バックル式 を用いることで、車内でかさばるストレッチャー/電動車いす固定ができるようになります。

↓ ↓ ↓

車いす固定装置にメーカー保証は適用されるのか?

 

結論から言えば、答えはNOでした。

 

購入店舗、そして、これから車検を受けるネッツトヨタディーラーでも確認したのですが、

私が購入したZRR80W改車いす仕様ヴォクシーは、T-Value という優良中古車に適用される保証を付けていたのですが、その保証内容もエンジン・ステアリング機構・エアコン・ブレーキ・ナビゲーションなどの特別保証部品にのみ適用され、車いす固定装置保証 対象外だそうです。

 

 

正直、なんだか、納得いきませんけどね(笑)

 

車いすユーザーの外出移動にフォーカスして設計製造された福祉車両の車いす固定装置が、総走行距離4万キロ弱であのような弱みが発生するものでしょうか。

 

とはいえ、結果的には、取り扱い方法や認識を間違っていたため本来の予想寿命よりも早く交換作業を行うハメになりました。

 

車いす福祉車両・車いす固定操作は【平行・均等】を強く意識すべし

 

今まで述べてきた車いす固定の基礎的マニュアルは、車種・メーカーを問わず共通するものだと思います。

リフトで車いすを持ち上げるハイエース・キャラバンでも、前後左右のワイヤーフックを車いすフレームに引っかけ、固定ボタンを押して、、、という一連の動作は同じです。

 

軽自動車の福祉車両でも固定手段がベルトかワイヤーかの違いだけです。

 

 

何度もしつこく言いますが、フックの引っかけ位置高さが左右平行になるように・または、引き出しワイヤー/ベルトが均等の長さになるように出来うる配慮を最大限行うべきなんですね。

それを日ごろから意識して行うか行わないかの違いで装置の寿命(ワイヤーのほつれ/ベルト摩耗)に反映されるのでしょう。

 

ブログ執筆の翌月には事業車両に義務付けられている毎年一度の車検も控えていたため、左右のベルト交換を検討する羽目となりました。

 

だましだまし使い続けられるかな?と悪魔の声が聞こえてきましたが、お客様の命をホールドする大事な大事な装置ですから、異変や異常を確認した以上、何時切れるやもしれないという不安を抱えながら運行を行うより、スパッと新品に変えて私もお客様も気持ちよく外出できるようにすべきだと判断しました。

 

修理完了後には追記しようかと思っとりますが、部品・工賃込みで6~8万はかかるでしょうね(苦笑)手痛い授業料となりそうです。

 

車いすユーザーを送迎する福祉タクシードライバーやデイケア/デイサービス送迎車を運転するヘルパーさんは、今回のブログを反面教師として活用なさってください。

 

※部品代だけで6万円かかりました……(苦笑)

 

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