NEWSでも触れていますが、障碍者高齢者に快適運行を提供する介護タクシービジネスは、搬送機材の定期的な買い替えをするべきだと思うんですね。
介護タクシーを14年運営してきた経験から申し上げると、5年or10年あたりを目安にしたほうがいいでしょう。
可動部に油を注入して・外観を丁寧に拭き上げて・ボルトナットの締め付けを定期的に行っていても、経年劣化による〝見た目のくたびれ感〟を拭い去ることはできないものです。
さて、10年以上使用してきたカワムラ製リクライニング車椅子RR41Bに別れを告げ、次世代型リクライニング車椅子Miki製 ネクストローラー_SPⅡへと買い換えましたので外観や性能についてレビューしました。
このような方におススメのリクライニング車椅子ですね。
●リクライニング車椅子の買い替えを検討しているけど、どれを選んだらいいか悩んでいる人
●車椅子にもカッコよさを求める介護タクシー乗務員
では、まいりましょうか。
Miki リクライニング車椅子ネクストローラー_SPⅡの外観と特徴
ブラックレザークッションは厚すぎず薄すぎない絶妙なあんばいで、マジックテープ式になっているので取り外しも簡単です。
次亜塩素水を吹き付けての消毒清掃もやりやすいレザー材質ですね。
②アームサポート(肘置き)が真下に下がり
③フットサポート(足置き)が取り外し/外開き
病室/自宅ベッドからリクライニング車椅子への移乗介助がやりやすいように、各種部品が外開きになったり取り外しできるようになっています。
ここがスゴいよ Mikiリクライニング車椅子ネクストローラー_SPⅡの機能
女性もラクラク リクライニング操作
モスグリーン色で視覚的にもわかりやすいリクライニングレバーを握ると、、、、
なんということでしょう。
Miki独自開発の次世代型リクライニング車椅子フレーム構造と油圧ダンパー機能の併用により、とてもラクにリクライニングポジションへ誘導することができるのです。
GIF動画をご覧になるとお分かりのように、リクライニングレバーを握ると同時に油圧ダンパー機能のアシスト力で、座面が上昇します。
元の位置に戻すときも、利用者の体重と油圧ダンパー機能の減衰力を利用するので、腕力は必要ありません。
リクライニング車椅子でありがちなお尻の前ズレが起こりにくいように専用設計されているので、ぜひ体感してもらいたいですね。
利用者の体格に合わせた快適調整
1.座面奥行き調整
画像で見比べたほうがわかりやすいですね。
【座面奥行き 最小】
【座面奥行き 最大】
黄色枠内にあるロックピンを脱着して、利用者の体格に合わせた座面奥行きを提供できます。
2.レッグサポート調整
黄色枠内の六角ボルトを緩めたり締めたりすれば、青色破線が示すレッグサポートの位置を、上下・手前/奥 へと微調整できます。
ふくらはぎの位置も乗客の体格によって様々なので、利用者ごとの最適なふくらはぎポジションへと位置調整ができます。
3.フットレスト調整
フットレスト真裏にあるナットを左側にゆるめると、フットレストの長さを調整することができます。
こちらもビフォーアフターの画像で見比べてもらったほうがいいでしょう。
【フットレスト長さ 最小】
【フットレスト長さ 最大】
5センチほど伸ばすことができるので、身長の高い人の快適ポジションを探るのに効果的ですね。備え付けの工具で簡単に調整できるようになってますよ。
4.ヘッドレスト調整
黄色矢印先のロックピンを脱着して、4段階の頭部最適ポジションに導くことができます。
5.介助者へも快適ポジション提供 手押しハンドル高さ調整
黄色矢印が示すクイックレバーを外側に開くと、赤破線で示されている手押しハンドルの高さが上下に調整できるようになっています。
155㌢~175㌢までの介助者体格にあわせた快適ポジションを、すばやくかんたんに見つけることができます。
6.腰痛持ちも かがまなくていい 踏み込み式フットブレーキ
フットブレーキは足で踏めばOK!
作業効率を格段にアップさせてくれます。
ちなみに、左右フレームのすきまから手を入れてブレーキをかけるようにも配慮されています。このブレーキレバーも結構使い勝手いいですよ。
ネクストローラー_SPⅡを80ヴォクシーに載せてみた
ネクストローラー_SPⅡでの、80ヴォクシー車内乗車状況はどのような印象になるでしょうか。
80ボクシー車椅子固定位置(1列目)の、床面から天井カーペットまでの高さは1325mmです。
画像ではすこしわかりづらいですが、Mikiネクストローラー_SPⅡヘッドサポートと天井の隙間は、成人男性の拳ひとつが通り抜ける余裕があります。
画像が示す数値はヘッドサポート最高値の1260mm.
取扱説明書記載の高さ最小値は1215mmなので、軽自動車の車椅子福祉車両でも、背もたれを起こした状態で乗降介助できるでしょう。
付き添い席とのコミュニケーションにおいても、お互いの顔の位置が離れすぎないため、ストレスを抱えることなくドライブが楽しめます。
【ここに注意!】Miki リクライニング車椅子 ネクストローラー_SPⅡが提供できないこと
デメリットを箇条書きでまとめてみました。
①利用者制限体重100キロまで
それ以上の体重を持つ人には対応できません。
白鵬関の移送は無理ですね。
②全幅600mmより短くできないので、超コンパクト収納できない
ヘッドサポート・レッグサポートを取り外して、このあたりのコンパクト収納が限界です。これ以上、分解することはできません。
③収納ポケット/バッグが無い
ゴム手袋やボルトナットを緩める工具をおさめるポケットが見当たりません。
ホームセンターなどで別途購入する必要がありそうです。
④酸素ボンベケースが付属していない
フットブレーキと車椅子座面真下のすきまを活用しての、酸素ボンベケース後付けカスタマイズを検討しなければなりません。
これに関しては別売りで販売されているので、ネクストローラー_SPⅡとの同時購入をお勧めしておきます。
寝たきりの方で酸素ボンベケース必須の患者さんはいらっしゃいますからね。
⑤6㌢以上の段差介助は厳しい
Miki ネクストローラー_SPⅡの作業効率を高めるフットブレーキの構造が仇となって、高さ5㌢以上の段差を乗り越える際の注意が求められます。
介護タクシー運行では、リクライニング車椅子にお客様をのせたまま、ノンバリアフリー住宅の部屋までの誘導介助を求められることがあります。
その場合、介護用伸縮式スロープをもちいて段差介助しなければなりません。
弊社所有のリッチェル ワンタッチスロープ では、問題なく進入介助できました。
しかし、段差から降りるときの降車介助では、フットブレーキのフレームが介護用スロープに接触して、このままでは降りることができません。
この場合のクリア方法は、車椅子介助者が黄色丸印内のティッピングレバーを踏み込んで・もう一人の介助者が車椅子前方のフレームを少し持ち上げてやるとクリアすることができます。
Miki ネクストローラー_SPⅡで移送前にやっておきたい ティルト式座面の下準備
お尻の前ズレをやわらげるシーティング調整
背もたれを起こした状態でタクシー運行を行っていると、ブレーキを踏むたびにお客様のお尻が前にずれていく現象が起きがちです、介護タクシーあるあるですね。
ネクストローラー_SPⅡは、背中まわりのクッション張り調整と、お尻をつつみこむ座面張り調整がマジックテープで行えるように配慮されています。
マジックテープを意図的に緩めておいて、お尻奥側が沈み込む状態を作り出しておけば前ズレを和らげる効果をもたらしてくれますよ。
【要確認!!】オプション扱いの専用腰ベルト(名称:NRシートベルト)
車椅子に腰ベルトって標準装備だと思い込んでいたので、ネクストローラーが届いたときには
ん??梱包忘れか???
あやうくクレーム電話いれそうになりました(苦笑)
改めて専用品(NRシートベルト)を発注しました。
※単品購入だと送料がもったいないので、車椅子との同時購入をすすめます。
まとめ
リクライニング車椅子を活用される人には、安楽で快適なポジションへと最短時間で導ける構造が求められます。
リクライニング車椅子買い替えを検討されている介護タクシー乗務員におすすめできるMikiネクストローラー_spⅡでした。
※専用ベルトの同時購入を強くススめます!リンク先のショップページお問合せフォームに「NRシートベルト同時購入希望」と必ず記入した方が発注がスムーズになります。
コメント