介護タクシー開業前に必要な資格とその理由を現役乗務員が説明しています

開業への心がまえ

 

介護タクシーを開業/起業することだけで言えば、資格は第2種自動車免許だけあればいいのですね。

 

タクシー業とは、

  • 乗客がもとめる場所に乗客をピンポイントで連れていくこと
  • その対価(手間)として運賃(お金)を頂く
  • それを成すための矜持と運転スキルを兼ね備えている

わけですから、その行為は一般乗用旅客自動車運送事業にあたり、その事業を興すための一番大事な要件が第2種自動車免許なのです。

 

資金計画や営業所から車庫の距離などの事業計画要件については、今回ここではふれません。ややこしくなるので。

 

普通自動車免許取得から2年経過あとに取得を許される第2種自動車免許。これがないと、国土交通省は介護タクシー事業を行うことを許してくれないんですね。

 

 

ただ、介護タクシーでお運びする乗客は、〝自力で自宅/施設から外出できない(しにくい)障がい者/高齢者〟ですから、乗務員が何らかのお手伝いをしてタクシー車内まで誘導しなければ運行そのものが成立しません。

運転席に座りっぱなしで自動ドア開閉レバーを操作するだけで乗客が勝手に乗り込んでくれるわけではない人たちが、介護タクシー乗客なのです。

タクシー車内までの経路には、さまざまな障害物が立ちはだかっています。

 

 

これらの障害物をとりのぞいて快適な移動を提供するには、運営実績のある機関で数日にまたぐ座学や実践をとおして資格取得活動をおこない、心構えと自信を養ってからが経営スタートなのです。

 

法令上問題ないからと言って第2種自動車免許所持だけで介護タクシー経営をスタートさせると、痛い目みますよ(苦笑)。まぁ、未だかつてそのような同業者は見聞きしていませんが。

 

これから紹介する資格は、私の独断と偏見をもって取得優先順にラインナップしております。

 

資格をとったから報酬が上がるとかお仕事を頂けるようになれるわけではありません。そこは予めハッキリさせておきます。

 

では行きましょう。

介護職員初任者研修(旧・ヘルパー2級)を受けて外出サポートの基礎を学ぶべし

 

ずばり言ってしまうと、介護職員初任者研修の資格がなくても身体介助を提供して介助料金を請求していいんですよね。

介護タクシーの場合、資格なしに身体介助を提供して介助料金を請求すること自体、法律違反でもなんでもありません。実費負担が基本の介護タクシーは介護保険制度を絡めないのですから、介助料金の設定も事業者独自の判断にまかされているのです。

 

ただ、それでいいんですか?って話です。

お金を頂く行為のまえに、備えておくべきことと、やるべきことが介護タクシー開業者にはあります。

 

まず、障碍者や高齢者とふれあう機会もなかった人が、ぶっつけ本番で移乗介助をおこなえるんでしょうか。

 

ああ、2年前にボランティア活動の一環でやったことあるんだよ。脇の下に両手差し込んでグイって持ち上げればいいんでしょ?

 

介助の理論と技術は改善を繰り返しながら日々進化していることをご存知でしょうか。

ボランティアで関わったぐらいの活動量では自信をもって介助を提供できません。また、それを教えてくれたヘルパーさんのやり方は、すでに古いのですね。

 

新しい分野で事業を行うなら、身銭を切って学び、プロの振る舞いをお客様に提供しましょう。

 

さて、前述しましたが介護タクシー乗客のハンディキャップとは、外出先バリアに日々悩んでいる障がい者/高齢者です。

 

ひとくくりに障碍者といっても

■身体障碍者(車いすユーザー・視覚・聴覚)
■精神障碍者
■知的障碍者
■発達障碍者/児

4種類の区分がなされています。

 

 

何らかの配慮を要する高齢者も、

◆要支援(将来的に介護を求められる人・生活で不便を感じている人)
◆要介護(食事・排泄・入浴などの全面的介助を必要とする人)

2種類に分けられています。

 

こちらを熟読いただければさらに理解が深まるかと存じます。

 

彼らが人間としての尊厳を持って暮らしていくために整備されている、介護保険サービス・障害福祉サービス誕生の歴史と仕組みと〝現在〟を、この研修の座学をとおして学ぶ必要があります。

この知識はグーグル海にも漂っているんですが、全部学ぼうとすればあっという間に日が暮れて朝日をむかえます。

 

そもそも、すべてを叩き込む必要もありません。

ポイントだけおさえればいいんです。

 

そのポイントを抜粋して教えてくれるのが専門機関の講師たちなんですね。まぁ、どうしたって座学は眠くなってしまうのですが。。zzZ そこは気合を入れて乗り切りましょう(笑)

 

ここが肝!身体介助スキルの習得と理論

介護タクシー開業者がいちばん不安を抱えている部分はここでしょう。

 

介護職員として勤めた経験もなければ尚更です。

 

私が介護タクシーに携わった平成18年、介護職員初任者研修はヘルパー2級と呼ばれていた時代でした。その時の身体介助講習は、言い方悪いですが、「講師から教えられたことを言われたとおりにやるだけ」でした。

 

ただ、現在の身体介助講習は、

  • なぜこの導線にそって手順通りにやらなければならないのか
  • この動きをやり続けると、どんなこと(ケガ/事故)が待っているのか

生徒に考えさせ、答えを発表させ、講師と共に答え合わせや確認を取り合う能動的スタイルになっているんですね。

 

 

また以前は、講習後半3日間は、訪問介護事業所・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設への実習も義務付けられていました。そこで排泄介助や食事介助の〝現場〟を知ったわけです。

 

ただ、そのやり方も刷新されていて、施設実習も受講者希望なら…という選択制に変わっています。そのうち(既に?)、介護ロボットやスーツの扱い方を習うことになるでしょうね。

 

時代の流れと共に介護の在り方も変わるのです。

 

余暇外出のための移動支援事業で稼ぐなら、なおさら必要

 

通院通学には使えませんが、映画鑑賞・カラオケ参加・祭りイベント参加・選挙投票・金融機関/役所手続きなどの目的で利用できる移動支援事業という障碍者向けの外出支援サービスがあります。

 

身体介助に関わる料金を、国や県や自治体で合わせて9割負担してくれて、利用者は1割負担のみでいい というものです。このサービスを利用者に提供する前に、介護タクシー事業者は、あらかじめ自治体と契約を結んで登録を済ませなければなりません。

 

あ、タクシー運賃は、利用者実費負担になっています。基本的に補助されませんので。

 

開業後は、お住いの自治体・保健福祉課へ営業して契約内容をしっかり確認しましょう。

 

この事業の契約条項の中に、身体介助報酬を算定する場合

  • 介護職員初任者研修修了者であること→100%算定OK
  • それ以外のものが提供するなら70%算定で請求すること

とあります。
※わかりやすく理解してもらうために表現を変えています
※算定割合や解釈は自治体によって変わる場合があります

 

介助に要した時間と内容が全く同じでも、介護職員初任者研修のほうが正当に評価を受ける(稼ぐ)ということです。

 

障碍者に対する理解と心構えをキチンと備えている人だから…という根拠からですよね。

 

取らない理由はなくなりましたよね。

併せて申し込みたい 障碍者ガイドヘルパー資格

全身性障がい者ガイドヘルパー養成講座で車いすユーザーの心理を学ぶ

この講座に限って言えば、全身性=車いすユーザーという認識でよろしいでしょう。

 

こちらは座学よりも現場に出ての実践講習のほうが大きな実りとなります。

車椅子介助の基本とちょっとした応用を学ぶことが出来るので。

 

流れとしては、講師と受講者が街中に出て、車いす介助役と車いすユーザー役を受講者同士でペアを組んで交互に行います。

 

この講習を体験することで、段差・縁石・グレーチング・階段・傾斜・凸凹路面などのバリアが外出先にあふれていることを〝初めて〟知るのですね。

 

車椅子ユーザー視点ってこういう風に見えているんだな

車椅子をガイドする時には2m先前方もしっかり見る必要があるんだな

 

 

下り坂って正面からだと怖いな…滑り落ちそう…

実践講習を終えたら良かった点/悪かった点/気づいた点を振り返り、受講者同士で意見を共有しあうわけです。

このシェア空間が講座の醍醐味といえます。

 

インターネットだけではけっして学べないんですよ、現場の空気や肌感覚って。

 

視覚障碍者向けガイドヘルパー(同行援護従業者)もセットで取るべし

街灯もネオンの灯りも店舗から漏れでる照明の光もまったくない、真っ暗闇の中を一人で歩いたことがありますか?

 

それこそが全盲視覚障碍者の日常であり、その追体験を受講者と学べるのが同行援護従業者という資格です。個人的には「視覚障碍者ガイドヘルパー」のほうが伝わりやすいと思っているのですが(笑)

 

目隠しをされた状態で、施設から一歩外へ出ると、

  • 自動車が目の前を通過する走行音
  • スマホ片手にチャリを漕ぐ学生
  • 横一列でおしゃべりしながら歩いてくる歩行者
  • ホームと電車のすきま30㌢
  • カラーコーン区画表示がぬるい 先にあるマンホールの穴

 

などのバリアがあちらこちらに散らばっているわけです。

 

見えないということはこんなにも恐ろしいのか
見えない人の気持ちがわからない人に、介助されることがこんなに不安だとは

 

この感覚を追体験できるだけでもお金を払う価値があります。

この追体験をしたからこそ、介護タクシー事業者は、視覚障碍者の気持ちに寄り添え、相手の立場にそった身体介助を提供できるわけです。

 

国家資格:介護福祉士を持っていれば介護タクシー収入は上がる?

見出しのままではありませんでしたが、んふー知恵袋に質問している情報収集者がこのようなニュアンスで回答を求めていましたので、私が勝手にお答えしますと

 

上がりません、はい。

 

 

国家資格=箔がつく=仕事ができる✖(んなわけない) 

この公式は介護業界にかかわらず、ですよね。

 

介護タクシー以外にも訪問介護やグループホーム・サ高住などの事業を運営している会社で従業員として勤めている乗務員なら、給料アップの可能性はありますが、個人事業主の介護タクシー事業者が介護福祉士を取ったからといって信用と信頼を生むわけではありません。

 

◆いただいたお仕事を精いっぱい全うしたか
◆利用者が抱く不便を便利に変えれたか

 

これこそが重要なのです。国家資格そのものは何の役にもたちません。

 

学びなおしたい欲求が収まらないのなら介護福祉士取得はアリでしょう。

 

それよりも、たん吸引・経管栄養のケア提供のスタートラインに立てる実務者研修が個人的におススメです。

看護師の講師がSっ気満載でビシバシたん吸引/経管栄養のケアを指導してくれます。

 

命を左右するケアにどれだけの神経と配慮を要さなければならないかを、知る ことは、マンネリ化したサービス提供をしている事業者にとって顔をはたかれる思いでしょう。

まとめ

 

介護職員初任者研修もガイドヘルパーも、それら資格自体がなくても、介護タクシー開業は可能です。

ただ、資格取得にむけて奔走する中で、障がい者への理解や快適な介助スキルを提供できる素地が固まってくるのです。この体験は大きいものです。

また、資格所持者だからこそ、ギリ利益につながる報酬を受けとることができます。

 

もはや、取らない理由はありませんよね。

 

じゃあ、どこでその資格を取得したらいいか?なんですが、

私が資格取得した三幸福祉カレッジなら如何でしょうか。

 

資格取得にあたって無料説明会を全国各地で定期的に行っていて、求職者割引についても丁寧に教えてくれます。※最大30%割引!

 

また、介護職員初任者研修とあわせて全身性障がい&視覚障がい(同行援護従業者)のガイドヘルパーをセットで受けると割引適用があるんですね。

 

介護タクシー開業前は時間のゆとりもあるでしょうし、お仕事につとめながら資格取得したい人向けのから、まとめて取得されることをすすめますよ。

 

あ、この記事を読んでいる段階でまだ第2種自動車免許を取得していない方は、こちらのサイトを参考にしてください。

合宿免許予約サイトのユーアイ免許

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