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18年現役乗務員が伝える介護タクシーで独立開業したい人が知るべき11のオキテ

開業への心がまえ

介護タクシービジネスの認知を高めるイベントやセミナーセッションを開催する中で参加者の共通点を1つ見つけました。それは、初めての起業・初めてビジネスを興そうとする心優しい人達ばかりだということです。

飲食でもなく転売/物販でもなく、介護タクシーで独立開業したいと考える人たちには、まず知っておくべき前提知識があります。11の見出しごとに振り分けましたので参考にしてください。

この記事を読み終えたあとには、介護タクシー開業に対するイメージがクリアになって前向きに準備をすすめていることでしょう。

1)介護タクシーってどんなビジネス?

行政用語でいうところの〝一般乗用旅客自動車運送事業〟の大枠のなかに含まれた、限定範囲で動けるタクシーのことです。市街地でよく見かける緑ナンバーの一般タクシーは、健常者障害者・老若男女すべてが乗客対象です。

対して介護タクシーは、要支/援要介護の高齢者や手帳をお持ちの身体障害者、誰かの付き添い見守りがなければ外出が危うい人が乗客になります。我々介護タクシー事業者は健常者だけをのせてお金は頂けません。

対して一般タクシーはどなたからもお金は頂けるのですが、そもそも車いす/ストレッチャーが乗降できる専用車両じゃないですし、乗務員は身体介助のスキルも資格もないので、外出バリアに悩む障害者高齢者は介護タクシーしか対応できないことになります。

一般タクシーならではのドアtoドアの機動力に身体介助スキルと車いす機材を用いて、乗客1組/1名それぞれ異なる外出の願いにピンポイントで応え、幸せ外出と体調維持をサポートできるのが介護タクシービジネスなんですね。

2)介護タクシーは儲かる業界?

儲かる という定義を調べると「利益になる・儲けが得られる」とありますので、介護タクシーも例外なく儲かります。自宅を営業所として経費削減を徹底して自分の生活費をシビアにみれば利益率3~5は出せるでしょう。

お客様の安全を当たり前に約束する運行と介助の労力を報酬(売上)と比較した時に、正直なところ、がっぽり儲かるという感覚はありません。そもそも一般タクシーより乗務回数を稼ぐことが困難なビジネスモデルですからね。余談ですが、健常者乗客以上の丁寧なケアと快適を約束する設備が求められますので、対価はしっかり頂かないと経営は続きません。

お金のメンタルブロックを外して正当な価格を提示して、地道な営業活動・丁寧な運行介助・情報発信を継続できれば、十分食べていける業界です。安売りさえしなければ、ね。

3)3つの介護タクシーと民間救急タクシーについて

世間で飛び交っている名称について、合同会社めぐり視点で解説します。

福祉タクシーとは

タクシーの許可をおろす運輸局が呼称している行政用語といいましょうか。ちなみに事業計画書等の書類には「介護タクシー」という記載はありません。一般タクシーとの違いを車両マグネットで世に示す〝福祉輸送限定〟も福祉タクシーと言い換えることができます。

車いすやストレッチャーがそのまま乗降できる専用福祉車両と、初任者研修(旧:ヘルパー2級)の資格を持った乗務員が限定客提供するタクシーサービスを、福祉タクシーといいます。

呼称の定義については正直なところキーパーソンも乗客も気にしていません。屋号を決める際、事業者としてどっちが好きか?で選んでもいいと思います。ただ、注意点があるので、その答えを次の介護タクシーで解説します。

介護タクシーとは

呼称が違うだけでさきほどの福祉タクシーと同じサービス内容です。車いす専用福祉車両と介助の資格を持った乗務員が、見守り・付き添い介助を要する障害者高齢者に向けてタクシーサービスを提供するのが介護タクシーです。

福祉タクシーと介護タクシーがごっちゃになってようわからん。全く別物のサービスなの?同じならだれか呼称を統一してくれぃ…

 

仰る通りだと思います。事業者の私からもお詫び申し上げます(苦笑)。

この記事は介護タクシーでの独立開業に向けて書いているので老婆心ながらお伝えしますと、自社の屋号を決める際は介護タクシーの呼称を使った方がいいです。なぜなら、ケアマネ・相談員にも介護タクシー呼称が認識されていますし、インターネットの月間検索需要も介護タクシーの方が6倍以上多いからです。

介護保険介護タクシーとは

介護保険介護タクシーとは何か?それは、法人設立と訪問介護事業所の開設と従業員を1名以上雇うことを条件に、身体介助の部分だけ1割負担(介護保険)が適用されるタクシーサービスのことなのです。

介護タクシーって介護保険使えます…よね?運賃も介助料も機材レンタルも込みで1割負担でイケ…ます??

しょうがないことなのですが、介護タクシーと介護保険介護タクシーを混同されている人がまだいます。詳細にリサーチしたわけではありませんが、全国各地で活躍している介護タクシー事業者の8~9割が介護保険介護タクシーではありません。

みなさん個人事業主であり、運賃+介助料金+車いす機材レンタルの合計料金の100%を、乗客から実費負担で頂いています。弊社は法人ですが実費負担をお願いしています。

介護保険適用させたほうが利用者の囲い込みができて収入も安定するんじゃ…?

地域性と戦略にもよると思いますが、弊社はおススメしない事業形態です。しょっぱなからスタッフを雇うこと・事務作業が膨大に増えること・介護保険ルールで振り回されること・キャッシュフローがよどむことが主な理由です。

民間救急タクシーとは

介護タクシーのサービスに看護師同乗や医療資機材を整えて、手厚い移送を提供できるのが民間救急タクシーです。介護タクシーよりも繊細な移送技術が求められますし、患者の命を丁寧に運ぶんだという鉄の意志がなければ務まりません。

救急車の不正利用の主な原因は無料で使えるからなのですが、介護タクシーよりも搬送単価が高い民間救急タクシーをあえて使いたいと思う庶民はいません。なのでマラソンイベントや都道府県をまたぐ搬送を見据えて営業する必要があります。

個人的には、北海道・東京・神奈川・大阪・京都・福岡などの主要都市でなければ成り立ちにくいビジネスモデルだと考えています。初期費用も400万以上は見込んでおくべきでしょう。

4)介護タクシーの年収

事業者からヒアリングした統計データがないので何とも言えないところですが、1人1台の運行体制だと300~500万円あたりになるでしょう。経営者の営業努力や仕組みづくりによってばらつきはあります。増車増員で年商1000万を超えることは難しくないと思いますが、サービスの質を保つこととスタッフを管理しつづける覚悟が求められます。

5)必要な資格と営業所の環境

資格

何はなくとも第2種自動車免許は必須で、これがなければ運輸局は許可を下ろしません。教習所だと取得費用はおおむね25万円といったところでしょうか。身体介助を提供してお金を頂くなら初任者研修の取得もマストで、取得費用は5~10万になるでしょう。

営業所の環境

固定費を抑えるためにも自宅を営業所としましょう。事務作業と乗務員が休憩するエリアが明確に分けられればOKです。自宅がアパートや団地の場合、家主や市/県に介護タクシーの営業所としての使用許可を書面でもらわなければなりません。

ちなみに令和5年12月に要件が緩和され、使用権原が3年以上から1年以上に変わりました。つまり、最低でも1年以上は経営を頑張ってくださいねってことです。

車庫

自宅を営業所とするなら、今まで使っていた自家用車の車庫を介護タクシー車庫へ転用することができます。これも令和5年12月に要件が緩和され、ペイントの区画内に車がすっぽりおさまればOKとなりました。

とはいえ、軽自動車ギリギリの区画内にハイエース車両は停められないので、車庫と導入予定の営業車両の測定はしっかり行う必要があります。

倉庫

長期的な介護タクシー経営において、豊富な機材を取り揃えていることが大きな信頼を生みます。アパート/団地だと自前の倉庫を確保するのは難しいのでレンタル倉庫などのトランクルームを検討するのがおすすめです。<レンタルボックス>を自宅周辺で探す

レンタル倉庫も近くにない場合は、大型車両導入に思考を切り替えて常時積みっぱなし という方法もあります。燃費は犠牲になりますが、多彩な依頼に瞬時に応えられるメリットの方が上回る というのが弊社の考え方です。

6)介護タクシー開業スタイル3選

介護タクシービジネスで独立開業するなら、3通りのスタイルがあります。

独学(我流)

インターネットから必要な知識を取捨選択し、自ら行動してトライ&エラーを繰り返しながら自己の経営を確立するスタイルです。メリットは低予算で開業できることですが、クルマ/車いす選びを誤ったり、間違った方向に努力を積み重ねて時間とお金を失うリスクがあります。

協会/組合/FCフランチャイズ

事業計画前の段階から営業開始まで所属の行政書士さんが・営業開始後は個人事業主の会員同士とコールセンタースタッフが許可申請・集客・各種サポートを一括で引き受けてくれます。

メリットは書類作成から介護技術の習得と集客までサポートがフルパッケージになっていることですが、組織とは名ばかりで統率がとれていなかったり、向上心のない会員との付き合いや会合で疲れたり、個人の活動が制限される組織もあるので注意が必要です。

自立経営よりも会員同士のつながりを大事にしたり苦手な集客活動をまるごとお任せしたい人にはうってつけの起業スタイルでしょう。対価として50万以上、月会費1万ほどのランニングコストがかかり、ゆるい束縛を許容しなければなりません。

現役乗務員のコンサルティング

いまなお介護タクシーの現場で障害者高齢者に接客し続けている乗務員が、事業計画書作成のサポートから自立経営までをフルサポートする起業スタイルです。現場に携わり続けるからこその説得力ある指導が提供できます。

弊社のフルサポートは乗務員乗客が共に楽しめる観光介護タクシーのカリキュラムに加え、web集客とリアルの営業で、他社に依存せず安売りせず自力で顧客を獲得する自立経営をゴールとして起業支援します。

対価として数十万ですが、受講期間1年の間に〝運行・介助・営業・販促・観光・Web集客・経理・会計・顧客管理・ツール選び・いつでも相談〟が体系化されたカリキュラムを体得できるので、我流よりも最短で事業を軌道にのせることができます。

7)介護タクシー開業に必要な初期費用と貯金(自己資金)の目安

自己資金は最低でも100万は手元に確保しておきたいところです。誤解のないように言うと、100万あればOKではなく、200万でも300万でも貯金はあるほうがいいです。貯金がなければ数年後の開業を見据えて貯めるか、人から借りるしかありません。

初期費用とは介護タクシー事業許可を得るまでに必要な経費の合計で、都道府県と車両取得価格によって差はあるものの、おおむね350万ほど見ておいた方がいいです。補足としては350万円一気に支払うものではない ということですね。

弊社が推奨するのは自己資金を元手に創業支援を活用して手元のお金を3倍以上に増やすとか、創業補助金を獲得するなどです。こちらのサイトを参照してみてください。

くれぐれも手元の資金だけで起業しないことです。融資=お金を借りることですが、売上が安定するまでの生活費を犠牲にせず、長期経営においてキャッシュの豊かさこそが正義です。サラ金をのぞいて、借金=悪ではないことを胸に刻みましょう。

8)介護タクシー起業に関わる補助金・助成金・創業融資

令和6年5月時点でビジネス未経験の起業時から補助・助成されるお金は基本的にない と考えるべきです。いやあるにはあるんですけど(こちら)。

補助金や助成金を受け取るためにはいったん費用を前払いしたり、従業員を雇わなければならなかったり、実績報告書を提出する義務が生じます。とにかく面倒ですが、国民の税金を頂くならやるべきことをやりましょう。

前述しましたが、弊社のおすすめは創業融資で手元のお金を増やす(借金する)ことです。融資を獲得するには地域の商工会議所か商工会に加入して経営指導員とともに計画書をつくって申請しましょう。

手元に1000万円自由につかえるお金があるなら話は別ですが。。

9)起業前にリサーチしておくべき地域事情

以下の計算式を用いて、車両1台あたり400人以上の乗客対象者がいるのならビジネスは成り立ちやすいと考えられます。

【なるべく最新データの】営業所を置く地域の要支援/要介護者の総人数+身体障害者(車いすユーザー)の総人数÷同業他社(介護タクシー)の総車両台数=〇〇〇名
各データは都道府県ごとに公表されています。介護タクシーの車両台数も各運輸局発表のデータを参考にしてください。
補足としては18年前から活動している事業者の高齢化による引退と、これから介護タクシーを開業したい人との新陳代謝が活発になる時期だと思っています。また、同業他社がいない地域はねらい目だと思いがちですが、競合他社(社協など)の移送サービスが低負担で手厚いため、実費負担の介護タクシー参入が厳しいという側面もあります。
ですが、自由度高い移送サービスを提供できるのは介護タクシーだけなので、利便性を認知してもらえたら徐々に流れは変わるかもしれません。

10)介護タクシー開業で失敗しないために

自己資金を持つこと・手持ちの資金を増やすこと・乗客がたくさんいる場所に営業所を置くこと・情報発信すること/止めないこと・丁寧な運行介助を貫くこと・信頼できる相談相手を見つけること です。

11)他にはない介護タクシービジネスの魅力とやりがい

とまぁ色々述べてきましたが、外出先バリアに悩んでいる障害者高齢者をとことんサポートできる社会貢献性に富んだ交通機関って介護タクシーだけなんですよ。通院送迎のサポートも喜ばれますが、貸切観光ならではの楽しさと感動を共有できるのも介護タクシーだけ。

機動力の高いタクシー運行で乗客の行きたい場所に連れていくことができて、「あなたが居るから外出が楽しい!ありがとう!!」と感謝され、会社員時代では味わえなかった充実感と稼ぐ楽しさを実感できる。1部の地域をのぞいて1人1台から起業できるため、職場の人間関係からも解放されます。

誇れる仕事です。がっぽりは儲からないけど、努力と学びを怠らなければ食べていけるお仕事です。介護タクシー開業を考えている方は毎月開催のセミナーにぜひご参加ください。

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